基本編⑤ 押し目買い・戻り売り
さて前回までの学習で、相場は各トレーダーの見ている時間足の違いから、
サイズの異なる複数の波が折り重なってできており、その複数の波を同時に考えていく必要がある。
なので、まずは1つの波について考えてみよう、ということでした。
相場の波の動きを見ていくと、
セオリーとも呼べる決まった値動きがいくつかあることに気づきます。
基本編② 値動きのメカニズムを知る 前編 でお話しした内容ですが、
相場には「安く買って高く売る」「高く売って安く買う」という
根源的な心理が働いている、というお話しでした。
ここをもう少し掘り下げていきたいと思います。
より実践的な言い方をすると、
価格が上昇していった ⇒ 次に下がってきたら買おう
価格が下落していった ⇒ 次に上がってきたら売ろう
そんな風に考えているトレーダーが多い、というわけです。
ちなみに、上昇後下がってきたら買うことを「押し目買い」、
下落後上がってきたら売ることを「戻り売り」といいます。
押し目買いされる位置の事を「押し目」
戻り売りされる位置の事を「戻り目」といいます。
これも、FXを学び始めるとすぐに耳にするごくごく基本的な言葉ですね。
次に考えてみたいのは、
どこまで下がると買われるのか、(押し目はどこなのか)
どこまで上がると売られるのか、(戻り目はどこなのか) ということです。
結論から言いますが、どこが押し目、戻り目になるか先に言い当てることはできません。
では、勘や感覚になるのか?と言われるとそういうわけでもありません。
押し目、戻り目になる位置の候補は事前に予測することができます。
あくまで予測なので確実ではないですが、波の動きを想定することは非常に重要なことです。
まず一番に考えもらいたいのが、上昇してきた波の「節目」になっている部分です。
「節目」の位置やサイズや形は様々ですが、
この赤いボックスの中が押し目になる値動きがオーソドックスです。
一体、なぜなんでしょうか?
まず、視覚的に分かりやすいので「この辺りから買おう」という目標になりやすいです。
そして上から売っている人にとっては「この当たりで利益確定しよう」という目標になります。
と同時に「ここから売りたい」と思う人は少なくなるでしょう。
この節目の位置(価格)を「過去に一度売られそうになったが、買いの勢力に負けた位置である」
と解釈するなら、それも買いたい人が増え、売りたい人が減る要因となるでしょう。
こういう「買いたい」「売りたくない」という心理が押し目買いを成功させます。
この「節目」が押し目になる意味合いを強化する目的として次のようなことも考えられるとなお良いです。
トレンドラインのような斜めの補助線を引き、節目のBOXと重なるところ。
移動平均線のようなインジケーターを表示し、節目のBOXと重なるところ。
フィボナッチリトレースメントの数値と、節目のBOXが重なるところ。
それぞれのラインやインジケーター、ツールの解説は別の機会にしますが、
節目が押し目として機能しやすいかどうかを考える材料になります。
押し目買いを例に挙げましたが、戻り売りの場合も考え方はまったく同じです。
押し目、戻り目の目安は「節目」を見る
節目を見ることにより、押し目、戻り目の位置を事前に予測する。
注意したいのは、これはエントリーするためだけに必要な話ではないということ。
もちろんエントリーの際も考えなければいけないのですが、
例えば日足や4時間足の波の押し目、戻り目の位置を想定しておくことで、
今現在のレートがどういう位置にあるのかが見えてきます。
押し目買いされて上昇中の相場だな、
上昇トレンドではあるけど押し目の位置まで下がってきそうだな、
そういうことが考えられるようになります。
それがわかるだけで余計なエントリーは減りますし、
今どういう値動きを待っているのか、が明確になります。
それでもあくまで予測ですので
実際には節目に到達する手前で、押し目、戻り目をつくったり、
節目を通り越してから、なんてこともよくあります。
でもそうなったとしても、それを事実と捉え、
プランを補正していくだけのことです。
いざエントリー、とするにはもう一歩踏み込んだ理解が必要です。
今はまだ焦らず、その時を心待ちにしていてください。