今回はトレーニング編②ということで
前回見ていった6/2~6/6の続きになります。
連続した日の値動きの「流れ」を
知ることで相場心理の移り変わりを
感じることにもつながります。
前回と同様に、
1時間足チャートで値動きを見た後に、
15分足チャートでさらに細かい値動きを見ていきます。
今回も、
「なぜ上昇(下降)したのか」
「なぜ上昇(下降)しなかったのか」
「なぜレンジになっているのか」
「ここから値動きが活発になった理由は?」
などをご自身でも考えながらご覧ください。
まずは6/7の1時間足チャートです。
前日にはこれまでの上昇トレンドが加速し、
131円、5月高値を勢いよく上抜き、
132円に到達したところで値が止まっています。
5月高値を素通りしての上昇、
前日陽線は上ヒゲのない陽線で
相当強い上昇の勢いを示唆しています。
とはいえ、日足ローソクの形だけを根拠に
買うわけにもいきませんので
まずは132円周辺の値動きに注目したいところです。
が、あっさりと上抜き133円まで上昇してしまいました。
上昇の勢いが相当強く
「誰も利益確定を考えない」という状況でした。
133円到達をきっかけに
利益確定が入り始め、
133円下にダブルトップを形成して
この日は終了しました。
15分足で見てみます。
この日はまず132円の攻防を確認したいところでしたが
午前中からあっさりと上抜いてしまいました。
前日までの強い上昇が継続する形です。
132円の上で一時的に持ち合いになりましたが
4時間足の確定以降、さらに上昇が加速。
その後も一度調整を挟み、
133円に到達しました。
水色のボックス内を5分足などで見ると
「ダブルトップ崩れ」のようになっています。
強い上昇による買い勢力と、
「上がりすぎ」と見た逆張りの売り勢力などの
攻防で一時的な持ち合いを作ったわけです。
一方的な上昇相場ではエントリータイミングが
難しいものですが、こういう持ち合いがあれば
タイミングを合わせやすいですね。
133円到達後は
数時間かけてダブルトップを形成。
15分足の波を追いかけると、
133円到達後に反発し
押し目買いで少し上昇するも
高値を切り下げて再び下落、
ネックラインを下抜きダブルトップ完成、
という流れがよくわかります。
続いて6/8にいってみましょう。
前日は132円をあっさりと上抜け133円に到達。
その後133円下にダブルトップを完成させ終了。
日足ローソク足は上ヒゲのある陽線です。
この日の開始時点で重要なことが
前日のダブルトップに対する考え方です。
ダブルトップとは上昇していた波が
下降に反転する時に形成されるものですが
この前日のダブルトップを見て
この先の下落をイメージするのはお勧めしません。
その理由はダブルトップのサイズです。
この値動きが「ダブルトップ」だと
確認できるのはせいぜい1時間足までです。
4時間足では「ちょっとした調整」にしか見えませんし、
日足では単なる1本のローソク足の上ヒゲです。
この強烈な上昇相場では
週足クラスまでもが絶賛上昇中です。
強力な上昇波に対し,この小規模なダブルトップを
「ダブルトップ」だと認識するトレーダーが
相対的に少ないことが予想されます。
となると売り手の参入が続かない可能性が高く、
むしろ「下がったところからの買い」や
「ダブルトップ崩れ」を狙いやすい場面です。
結果、開始直後からダブルトップは崩され
前日高値の133円を挟んで持ち合いに。
133円からの売り勢力は
「前日高値より一回り大きなダブルトップ」、
グレーの矢印のような値動きを狙っていると
考えられますが、少しの攻防の末、上方向にブレイク。
134円の上まで上昇し、この日は終了しました。
では15分足を見てみます。
この日の開始時点で考えることは
前日のダブルトップが崩れて上昇する可能性。
もしも下がるようなら押し目買いを狙う。
もう1つイメージしたいのが
前日ダブルトップよりも一回り大きな紫のダブルトップ。
133円で上げ止まるとすると
こういう値動きになりやすいです。
実際には、4時間足が133円をブレイク後、
下がらないことを確認し、
134円上までさらに買われる展開となりました。
133円上の水色のブロック内で
利益確定や逆張りの売り勢力が買い勢力に
飲み込まれていく様子がうかがえます。
また、133円下の小さな水色ブロックの持ち合いも
前日ダブルトップ由来の売りと、買い勢力の
攻防の決着をさりげなく表していることがわかるでしょうか。
それではもう1日、6/9にいきます。
前日は上昇トレンドが継続。
134円を超えて反発するも
再び高値を目指して終了。
ほぼ上ヒゲのない大陽線となりました。
この日に考えるのは
前日高値を更新し、135円及び
2002年高値を目指すかどうかです。
一旦下がってこれば押し目形成を待ち
買いを狙いたい局面です。
押し目候補として
波の「節目」を黄緑で囲っています。
仮に一旦下がるとすると
前日の値動きがダブルトップになりますが、
6/7のダブルトップ同様、
上昇の勢いに対してサイズが小さいので
「波の反転」をイメージすることはできません。
結果としては前日高値にレジスタンスされ
調整の下落が入りました。
ネックラインを下抜き
ダブルトップが完成しましたが、
ネックライン下、節目に届くことなく反発し、
その後は売られることはなく
高値まで上昇し終了しました。
ではこの日の15分足です。
東京時間、前日の高値を超えることができず、
ダブルトップになり下がり始めました。
1時間のダブルトップの右側に
15分足のダブルトップができており
一時的に買いトレーダーの利益確定が
入りやすい状況でした。
ネックライン下までキレイな下降トレンドを
形成しながら売られましたが、
133円上の15分足の波の小さな節目から
押し目買いが入り始め、
15分の下降トレンドが崩れました。
その後は、押し目買いによる買い勢力と
緑のダブルトップ由来の売り勢力が
134円付近で攻防(ピンクボックス)し、
上に抜けていきました。
・緑のダブルトップが完成しても
下落の勢いが続きそうにないこと
・逆に下がれば買いたいトレーダーが
待ち構えていること
・それでも緑のダブルトップを見て
戻り売りを考えるトレーダーがいること
・そのためにピンクの持ち合いが形成されること
・ピンクの持ち合いが上に抜けやすいこと
実はこれらはすべで事前に想定できる値動きです。
事前に想定する、とは
この日が始まった段階ですべてを予測する、
という意味ではなく、時間経過とともに
この日の値動きを追いながら
この下落は続かないかもな
ここで持ち合いになるかもな
上に抜けやすそうだな
というぐらいのことであれば
慣れれば誰にでも考えられます。
その日の朝に立てたトレードプランに対し
下位足の流れを追いながら
微調整を加えつつアジャストしていく、
そんなイメージが最適でしょうか。
そうすることで
自然とエントリーポイントが見えてきますし
余計なトレードもしなくて済みます。
今回は6/7~6/9の値動きを追ってみました。
6/8 6/9 で出てきた
サイズの合わないダブルトップが
崩されていく値動きや、
6/9 の少し先の値動きを想定する感覚。
この辺りがトレーニングを通じて
徐々に身に付いて行けば、
かなり安定した成績につながると思います。
是非他の場面でも検証してみて下さい。
(ドル円じゃなくてもいいです)