トレーニング編① 値動きの意味を考える6/2-6/6

今回はトレーニング編①ということで

「チャートを見る訓練」を

一緒にやっていこうと思います。

 

値動きの意味を考える、というタイトルですが

すべての値動きには意味があり、

何らかの理由があって動いています。

 

過去チャートで過去の値動きを見ながら、

「だから上昇したのか」

「だから下がらなかったのか」

「だから急落したのか」

「ここで売り買いが攻防しているのか」

という風に値動きの意味を理解しましょう。

 

過去の値動きに対して

その意味を説明できるようになれば

未来の値動きに対しても

予想が立つようになります。

 

逆に言うと、過去チャートの

意味が分からないのなら

未来の値動きを予想できるわけもありません。

 

今回はトレーニングということなので

是非一緒に考えてみて下さい。

 

まずは下のチャートをご覧ください。

このチャートは2022年6月、

ドル円の1時間足です。

 

キリ番と、2002年高値という

月足レベルの重要なラインを引いています。

 

トレーニングということもありますので

今回は1時間足チャートだけを頼りに

値動きの意味を考えていきます。

 

すべて考えると長くなりすぎるので

今回は6/2 6/3 6/6の値動きを見ていきます。

 

改めてチャートを出します。

まずは6/2です。

前日までの上昇が見てとれます。

前日足は「ヒゲのない陽線」で、

強い上昇であることが感じられます。

130円というキリ番を少し上抜いて確定しています。

 

午前中に130円を下に抜こうとしつつも

陽線が1本出ています。

 

130円を上抜けたことにより

さらに上昇する期待感から

買うトレーダーがいるからです。

 

しかし、陽線が出てサポートされた(ように見えた)

にもかかわらず上昇しなかったことで

買い手の諦めにより、一旦下落した。

 

そういう値動きになります。

 

その後は黄緑「節目」から

押し目買いが入るも

130円を上抜くことができず終わりました。

 

下は同じ場面の15分足チャートです。

この日にまず考えたいのは130円及び前日高値を

巡ってどんな値動きになるのか、でしょうか。

 

130円を前日の日足が終値でブレイクしていますが、

130円は10円刻みのキリ番で「強いライン」と考えられます。

 

上抜けがダマしになる可能性もあるため

下位足の値動きに注目したいところです。

 

東京時間、前日高値を超えられず

下がってきましたが、130円にサポートされ

赤マルのダブルボトムになりました。

 

強い陽線も出ており、

買っても全然おかしくない場面です。

 

にもかかわらず、上昇しませんでした。

 

130円というキリ番が簡単に突破できるとは

思われていないのか、

東京時間よりも大きな市場までの

様子見なのかは分かりませんが

この時は買いへのフォローは続きませんでした。

 

「上がる」と思うトレーダーが

買い注文を入れたからこそ

ダブルボトムができたわけですが

それが上がらなかったことで

買い手の諦めからずるずると下がり出します。

そういう値動きを見れば

前日に買っていたトレーダーの利益確定も入るでしょう。

 

その結果、押し目候補である黄緑の「節目」まで下がり

押し目買い狙いの新たな買い勢力が入るも

再び130円の壁に阻まれた、という流れになります。

 

と、こんな感じで過去チャートを見て

こういう説明ができるようにするというのが

今回のトレーニングになります。

 

では、続いて次の日を見ていきます。

6/3です。

前日の130円というキリ番を巡る値動きの続きです。

 

前日の値動きから、「節目」からの押し目買いと

130円からの売りが攻防していることが分かります。

 

攻防のエリアをオレンジボックスだとすると

ボックスを下抜ければ

押し目買いで高値更新を狙う買いトレーダーの

損切りや、前々日からの買いポジションの

利益確定が入りそうです。

この形はダブルトップになります。

 

ボックスを上抜ければ

130円から売っていたトレーダーの損切りで

上昇しやすくなり、

形でいうとダブルトップ崩れになります。

 

つまりこのボックスの上抜けか下抜けが

値が動き出すきっかけになります。

 

この時はニューヨーク時間にボックスを上抜け、

131円まで急騰しました。

 

では15分足でも見てみます。

オレンジのボックス内の値動きに注目します。

 

130円に届くたびに売られていることがわかります。

しかし、売られるものの安値を切り上げていることから

「売りの弱さ」を察知することができます。

 

上に抜けそうだな、ということを

抜ける前から想定することができます。

 

実際に上に抜けた後には、急騰しています。

アメリカの経済指標による値動きでもありますが、

130円からの売り注文の損切りが

急騰の理由のひとつであることに違いはありません。

 

このようなダブルトップ崩れによる急騰や

持ち合いの中の安値切り上げなどは

よく出てくる値動きなので

他の場面でも検証してみることをおススメします。

 

では続いて次の日にいきましょう。

6/6でず。

前日に130円をブレイクし上昇。

131円までの急騰となりました。

 

この日の注目は

131円も突破してさらに上昇するか、

131円から一度下がってくるのか、ですね。

 

下がってくるのであれば前日の上昇があるので

押し目買いを狙いたい局面です。

 

押し目買いのプランを想定をするために

緑の波の「節目」を囲っておきます。

 

1時間足チャートでは分かりませんが

黄色で囲った部分にも

緑の波より小さいサイズの波の節目があります。

 

結果を見ると黄色の節目で押し目買いが入り

131円を上抜け132円に到達しました。

 

15分足も見てみます。

131円から一度下落し、

押し目候補の一つ、黄色の節目の中でサポートされ

ピンクのダブルボトムとなり上昇。

高値を上抜けて132円に到達しました。

 

ダブルボトム形成の流れを知ることも大切です。

①午前中の131円からの下落。

②押し目候補で反発上昇。

③一時上昇後①に対する戻り売り

④戻り売りが続かず安値を切り上げ上昇。

ネックラインを上抜けダブルボトム完成。

 

④の安値切り上げで「売りの弱さ」を察知します。

弱くなければ安値を更新してさらに下がりますからね。

 

下位足の波を追いながら

チャートパターンの「形」だけではなく

「その形になる意味」を感じ言語化することで

より相場メカニズムへの理解が深まります。

 


今回は3日分の値動きを振り返りました。

 

値動きの意味を解説しましたが、

実際のところそれが正しいのかは誰にも分かりません。

 

所詮、私なりの「解釈」に過ぎず、

正解、不正解では測れないものです。

 

ただし、トレードで勝つということは

自分自身の解釈と

その他大多数のトレーダーの解釈とが

一致していた、とも言えます。

 

相場がどう解釈されてどう動いていくのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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