MTF分析③ MTFとプライスアクション

MTF分析③ MTFとプライスアクション


今回はMTF分析編ということで

MTF分析とプライスアクションを

複合して考えてみます。

 

何やら難しい言い回しですが

よりシンプルにチャートを見るための

考え方としてご紹介します。

 

プライスアクションとは

日本語で「値動き」のこと。

 

ここで言うプライスアクションとは

「押し目買い」や「ダブルトップ」などの

セオリー的な値動き、という意味で

使っています。

 

プライスアクションは

波のサイズに関わらず

同じように発生します。

 

日足では押し目買い

4時間足ではダブルボトム

1時間足では押し目買い

15分足ではレンジ

 

こんな風に波のサイズごとに

別々のプライスアクションが

発生しているんですね。

 

ではこのサイズの違うプライスアクションを

どのようにトレードに取り入れていくかを

考えていきましょう。

 

まず下の図を見てください。

基本的なプライスアクションと

エントリーポイントをまとめたものです。

 

まずは「押し目買い」。

 

「押し目」で買うのが基本ですが

「高値ブレイク」でエントリーできることもあります。

 

「押し目」からの買いとは違い

波の途中乗りになりますが

高値更新を目指すのが押し目買いの本質であり、

次のレジスタンスまで値幅があるのであれば

こういった箇所もエントリーポイントになります。

 

次に「戻り売り」ですが

押し目買いと同じ理屈で

「戻り目」での売りと

値幅があるなら「安値ブレイク」も可能です。

 

後はダブルトップとダブルボトムです。

 

上位足のサポート、レジスタンスを背景に

波の反転を狙った注文です。

 

2つ目の谷からの買い

2つ目の山からの売り

 

でエントリーできれば効率が良いですが

 

ネックラインのブレイクで

エントリーすることもできます。

 

レンジブレイクを例としていますが

上位足を背景にしたレンジブレイクや

三尊・逆三尊などは

ダブルトップ・ダブルボトムと

本質的には同じです。

 

「上位足の抵抗があるために

売り買いの攻防が起こり

反転していくまでの値動き」

 

ということになります。

 

山や谷がはっきりしないので

ネックラインのブレイクで

エントリーすることができます。

 

 

押し目買い

戻り売り

ダブルボトム

ダブルトップ

 

これらのプライスアクションの本質、メカニズムを考えると

チャート上のすべての値動きは

この4つのプライスアクションで説明できる、

と言っても過言ではありません。

 

これらのプライスアクションを用いて

複数の波を考察してみましょう。

 

まず以下の図を見て下さい。

 

複数の波が絡み合っています。

 

緑の波が日足の波

黄緑のラインはその押し目候補のラインです。

 

オレンジの波は4時間足の波

 

黒のラインが1時間足の波です。

 

日足の押し目候補でサポートされ

波が上昇していく場面を図にしています。

 

縦に引いたグレーのラインは

日付変更線です。

 

この日付変更線の間を

トレードするのがデイトレードです。

 

この図を拡大したものが以下の図になります。

デイトレードレベルで

トレードできそうなポイントに番号を付けています。

 

これらのポイントでエントリーするとして、

各時間足の波のプライスアクションが

どうなっているのか、

を考えていきます。

 

①売りエントリー

日足 … 押し目候補に向かって下降中。

4時間足 … 戻り売り

1時間足 … ダブルトップ

 

日足押し目候補を目指した

4時間足クラスの戻り売り。

 

②買いエントリー

日足 … 押し目買い

4時間足 … 戻り売りの途中

1時間足 …ダブルボトム

 

日足押し目候補に到達したことによる

売りの利益確定を狙った買い。

4時間足の波では戻り売りの途中なので

売り勢力に警戒が必要。

短期的な買い。

 

③買いエントリー

日足 … 押し目買い

4時間足 … ダブルボトム

1時間足 … 押し目買い

 

4時間と1時間の買い勢力と

日足の買い勢力が合流しだすところ。

 

④買いエントリー

日足 … 押し目買い

4時間足 … ダブルボトムネックラインブレイク

1時間足 … 押し目買い高値ブレイク

 

日足クラスの押し目買いが上昇していくところ。

 

⑤売りエントリー

日足 … 押し目買いの途中

4時間足 … ダブルボトム完成後の押し目までの下降

1時間足 … ダブルトップ

 

4時間足の波の調整波を獲りに行くトレード。

4時間クラスの買いが入るところまで。

短期的なトレード。

 

⑥買いエントリー

日足 … 押し目買いの途中

4時間足 … 押し目買い

1時間足 … ダブルボトム

 

4時間足にとって上昇転換後はじめの押し目買い。

 

⑦買いエントリー

日足 … 押し目買いの途中

4時間足 … 押し目買いの途中

1時間足 … 押し目買い

 

日足押し目買いのパワーで、

4時間足の波の高値更新を期待したトレード。

 

⑧買いエントリー

日足 … 押し目買いの途中

4時間足 … 高値ブレイク

1時間足 … 高値ブレイク

 

日足押し目買いのパワーで

更なる上昇を期待したトレード

 

 

ざっと書いていきましたが

これこそが各エントリーの根拠とする情報です。

 

日足や4時間足の波は規模が大きいので

デイトレードでは「環境」として捉えます。

 

環境認識とは、上位足の波にとって

現在値がどのような位置か、を

把握するために行います。

 

さらに、この図には描いていませんが

下位足の波も同じように存在します。

 

下位足の波にも

押し目買い、戻り売り、

ダブルトップ、ダブルボトムが

同じように発生しています。

 

日足、4時間足、1時間足の値動きを根拠に、

下位足のチャートパターンをトリガーに

エントリーする。

 

これがマルチタイムフレーム分析であり

プライスアクショントレードです。

 


 

現在値は

「どの波にとってどういう位置なのか」

 

これからトレードしようとする値動きは

「どの波にとってどんな値動きなのか」

 

ということを把握できれば

利益を伸ばせるのか、

伸ばせないのか、

ということも見えてきます。

(②や⑤のエントリーは短期トレード)

 

上位足の抵抗に到達するまで

目線を固定することもできます。

(①のエントリー)

 

上位足の波がはっきりしない場合は

トレードを見送ることもできます。

 

より大きな根拠が整うまで待つこともできます。

(②では見送り③でエントリーなど)

 

 

どの波にとってどういう位置なのか

どの波にとってどういう値動きなのか

 

これらをリアルタイムのチャートで

判断するのは簡単ではありませんが

こういう視点を持って

チャートを見ることで

景色が変わるかもしれません。

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