MTF分析編② 天井圏のトレード

MTF分析編② 天井圏のトレード


今回はMTF分析編ということで

「天井圏のトレード」を舞台に

大中小3つの波を

どのように組み合わせて考えるのか、

というお話しにしたいと思います。

 

上位足のレジスタンスに到達すると

いわゆる「天井圏」と呼ばれる

売り買いの攻防が起こり始めます。

 

上位足ではなくても

各時間足のレジスタンスライン付近では

ダブルトップになったり

レンジになったりしますが、

 

上位足でそれが起こると

例えばダブルトップを形成するために

何日も、時には何週もかかったりします。

 

要はその間の値動きが「天井圏」

ということなのですが、

上位足の天井圏は値幅も大きいので

「天井圏の中」をトレードすることになります。

 

上位足のダブルトップ形成の過程を

題材に概念図で解説しますが

あらゆる場面で応用できる考え方です。

 

FXトレードの重要な部分、

人によっては「コツ」と解釈できる要素が

多分に詰まっているので

最後まで頑張ってお読みください。

 

 

ではまず、以下の図を見てください。

黒の波を1時間足とします。

 

上昇トレンド中で上位足のレジスタンスラインに到達し、

下位足でダブルトップ①を形成したところです。

 

①からの売りは

「上昇トレンドだが、上位足のレジスタンスで

下位足がダブルトップになったので売り」

というトレードになりますが、

 

さて、このトレードは正しいしょうか?

 

トレードは不確定なものなので

正しいも間違いもないのですが、

便宜上、その答えを考えると

 

「どういうつもりで売ったのか」

によって答えは変わってきます。

 

下の図を見てください。

①からの売りの段階では

「赤の波に対する押し目買い」が

まだ入っていません。

 

黒の波の上昇トレンドを背景に

押し目買いを考えるトレーダーは

必ず存在するので、

その買い勢力を意識しているかどうか、

が肝心です。

 

①から売り注文を入れる時の考えが

「押し目買いが入るところまでの売り」

なのであれば正しいトレードと言えます。

 

単に「上位足のレジスタンスだから売り」

なのであれば間違っていないまでも

正しいとは言えません。

 

「どういう値動きを狙っているのか」を

自分自身がわかっていないと

良いトレードにはなりません。

 

②からの買いであれば

「黒の波の高値更新を狙った押し目買い」

という考えだけでは足らず、

「黒の波のダブルトップの右側までの買い」

という意識が必要です。

 

③からの売りは

「黒の波のダブルトップ完成を狙った売り」

ということになります。

 

①との違いは、②からの押し目買いを受けて

「それでも上がらなかった」という事実があります。

ネックラインを下抜けていく可能性があることを

理解して売れるかどうかが大事です。

 

ただし③からの売りでも

考えておきたいことがあります。

 

下の図をご覧ください。

オレンジの波は黒の波よりも大きいサイズの波です。

 

オレンジの波に対する押し目買いを

狙っているトレーダーが当然存在します。

 

③からの売りを考える時には

「オレンジの波の押し目買いが入るところまでの売り」

という意識が必要になります。

 

黒の波のダブルトップを見て

「どこまでも下がる」というイメージを

持ってしまうと

④からの買い勢力に捕まってしまいます。

 

では④の位置で実際に下位足が

ダブルボトムを形成した時は

どのように考えるべきでしょうか。

 

「オレンジの波の押し目買い」だから

高値である青のラインを目指した買い?

 

次の図を見てみましょう。

④で買う時には

「紫の下降波に対する戻り売り」を

意識しておく必要があります。

 

「それをわかって買っているかどうか」が重要です。

 

⑤からの売りも

「黒の波のダブルトップ完成からの戻り売り」

という意識だけでトレードに臨むと

「オレンジの波の押し目買い」によって

痛い目に遭う可能性があります。

 

黒の波が⑥の位置の攻防によって

ダブルボトムになる可能性を

考慮する必要があります。

 

⑥の位置で下位足の値動きを見極め

下位足の値動きが崩れれば

更なる下降波を売りで追いかければいいのです。

 

⑥での下位足ダブルボトムからの買い注文は

「黒の波のダブルボトム完成を狙った買い」で

オレンジの波の押し目買いでもあります。

 

「紫の波の戻り売りを受けて

それでも下がらなかった」という事実がありますから

この買いは前回高値である青ラインを目標にできます。

 

次の図に行きます。

⑦の下位足ダブルトップからの売りは

①の売りと同じ理屈です。

 

「ピンクの上昇波に対する押し目買い」が

まだされていないので、

⑧からの買いを警戒しておく必要があります。

 

⑧からの買いは②からの買いと同じで

⑨でダブルトップになる可能性を

考慮しておく必要があります。

 

⑨からの売りは③からの売りと同じで

黒の波のダブルトップ完成を狙う売りです。

③からの売りとの違いは

「オレンジのダブルトップ右側からの売り」

でもあるということです。

 

オレンジの波は

「⑥からの押し目買いを受けても

高値更新できなかった」という

事実があります。

 

それらを把握しておけば⑨からの売りは

オレンジのダブルトップの

ネックラインを下抜く可能性がある、

ということがわかります。

ここまでで見てきたように
自分がやりたいトレードの裏に潜む、
 
相反するトレードを考える
 
トレーダーの存在を考慮する必要があります。
どの波にフォーカスするかによって
トレーダーの思考は変わります。
エントリータイミングも変わります。
「どの波のどういう値動きをどこまで狙うのか」
これを、聞かれたら説明できるぐらいに
 
しておきたいですね。
実際には、思ったような値動きに
ならないことも多いですが、
そこで必要になるのが
「値動きの崩れを狙ったトレード」です。
「この波に対する押し目買いが意識されている。
 
下位足がダブルボトムになりそう」
と意識されていることがわかっていれば、
そのダブルボトムの崩れを売ればいいんです。
「崩れ」の考え方は他の記事でも解説していますので
今回は割愛しますが、いずれにしても
どの波を見てどう考えるトレーダーがいるのか
そういう視点でチャートを見るようにしましょう。
どの時間足でも考え方は同じです。

黒の波に対する

エントリーポイント①②③と

 

オレンジの波に対する

エントリーポイント③⑥⑨は

 

波のサイズが違うだけで

同じ性質のトレードであるということが言えます。

 

どんなサイズの波でも考え方は同じです。

 

「どの波のどの部分なのか」を

理解してトレードに臨むことが

安定した勝率につながります。

 

それをリアルチャートで、

リアルタイムに考えることこそが

非常に難しいのですが、それは

検証や練習、経験によってしか

身に付けることはできません。

 

チャートとじっくりと向き合い
少しずつ感覚を磨きましょう。
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