応用編⑦ ダブルトップ崩れをトレードする

前回の応用編⑥ではダブルトップの

エントリーについて、相場心理を交えて

お話ししました。

 

今回は「ダブルトップ崩れ」についての

お話しになります。

「ダブルボトム崩れ」でも理屈は同じなので

反転させてお考え下さい。

 

まず、「ダブルトップ崩れ」とは何か。

 

ダブルトップは波の反転個所に現れる

特徴的なチャートパターンでしたね。

 

上位足のレジスタンスにぶつかることで

波が高値を更新しなくなり、

やがてネックラインを下抜き

反転していきます。

 

ダブルトップになったのを確認して、

またはダブルトップになりそうなことを確認して、

売り注文が入りやすくなるわけですが

「ダブルトップが崩れる」ことで

売り注文が損切りや撤退によって

買い注文として決済されてしまいます。

 

この損切りや撤退の買い注文が初動となり

さらに新規の買い注文も入ってくることで

上昇しやすい相場となります。

 

図で見ていきましょう。

図の黒の波は1時間足の波です。

青のレジスタンスから売られてきており

赤のサポートで反発しました。

 

黒の波の戻り高値である黄色ラインで

ダブルトップを作ろうとしています。

 

ダブルトップになって下降するとすれば

以下の図のような波になります。

こういう波が想定できるからこそ

ダブルトップになる兆候が見られれば

売り注文が入ってきやすいわけですね。

 

ダブルトップが崩れた場合は

以下の図のようになります。

ダブルトップを期待して売っていたトレーダーは

損切りせざるを得ません。

その損切りに合わせて新規買い注文も入ります。

 

ダブルトップ崩れには以下の図のようなパターンもあります。

ダブルトップが完成後、

つまりネックラインを下抜いた後に

崩れるパターンです。

 

このパターンでも同じように

損切り、撤退をきっかけに

上昇していくことが多いです。

 

 

ここまでで見てきたように

ダブルトップが崩れると

ダブルトップからの売りが意識されているほど

その後の急騰につながります。

 

 

 

さて、次に考えたいのが

「なぜダブルトップが崩れるのか」

ということです。

 

ダブルトップが完成(ネックライン下抜き)しても

崩れるパターンがあるなら

トレードのやりようがないと思いませんか?

 

ダブルトップやダブルトップ崩れを

トレードする際に理解していると有利なのが

レジスタンスとサポートのバランスです。

 

言葉を変えて言うと

売り勢力と買い勢力の強弱ですね。

 

下の図を見てください。

1時間足の黒の波は青のラインでレジスタンスされ下降、

そして赤のラインでサポートされ反発していますね。

 

まず考えたいのは赤と青のラインの単純な強弱です。

 

ラインには「強さ」があり

上位足トレーダーの心理が影響するラインほど

強くなります。

 

日足の波を見ているトレーダーが

意識するラインは

日足以下の波を見ているトレーダーにも

意識されやすいですが、

 

1時間足の波でしか認識できないラインは

1時間より大きな足の波を見ているトレーダーには

あまり意識されないからです。

 

2本のラインについて、

それぞれ「どのサイズの波のラインなのか」が

わかれば値動きの行方のヒントになります。

 

青のラインの方が強ければ

図の中のダブルトップが成功する

可能性が高くなりますし、

 

赤のラインの方が強ければ

ダブルトップの崩れをイメージするべきです。

 

 

単純なラインの強さ以外にも

ヒントを見出す考え方もあります。

 

それがラインからの距離です。

下の図を見てください。

レジスタンスラインからの売り注文は

レジスタンスラインに近いほど活発です。

 

サポートラインからの買い注文は

サポートラインに近いほど活発です、

 

つまり、

 

レジスタンスラインに近いほど

売り圧力が強まり

レジスタンスラインから遠ざかるほど

売り圧力が弱まります。

 

サポートラインに近いほど

買い圧力が強まり

サポートラインから遠ざかるほど

買い圧力が弱まります。

 

レジスタンスラインとサポートラインの

強弱の差が明確でないのなら

図のダブルトップ①と②を比べると

①の方が売り圧力が弱く、買い圧力が強い

②の方が売り圧力が強く、買い圧力が弱い

ということが言えます。

 

①の位置では

サポートラインからの上昇波を狙う

買い勢力もまだいるでしょうし、

戻り売りを狙う売り勢力も

もう少し上から売りたいと考えるかもしれません。

 

ということを踏まえると

①のダブルトップは崩れるかもしれない

という推測が立ちます。

 

このように、ラインからの距離によって

ダブルトップの成否のヒントを得ることができます。

 


 

「崩れるかもしれない」という

イメージをあらかじめ持つことができれば

エントリーしやすくなります。

 

「崩れる」値動きは損切りや撤退を誘発し、

値が短時間にロケットのように伸びやすいです。

 

崩れを狙うトレードをマスターし

自身の「鉄板パターン」にしてみては

いかがでしょうか。

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