前提編⑤ ロット数と金銭感覚
今回は前提編。
トレードを始める前に
頭に入れておきたいお話しです。
皆さんご存じの通りFXトレードには
レバレッジという仕組みがあり、
その仕組みのおかげで
手持ち資金以上の金銭のやり取りが
できることが特徴です。
ポジションを持つ際にはロット数に応じた
証拠金が必要となりますが
手持ち資金やロット数(枚数)は
もちろん人それぞれです。
小額からでも始められるのが
FXの大きな魅力ですし、
資金があればあるほど
ロット数を上げ、
信じられないほどの大金を
個人が動かすことも可能なわけです。
さて、みなさんにとって
いわゆる「プロトレーダー」とは
どのようなイメージでしょうか?
少しネットやSNSを開けば
億トレーダーとか、
月収7000万円とか、
今日のトレードで300万勝ちました、
なんていう人が山ほど見つかりますよね。
真偽のほどは置いておいても、
「成功したトレーダー」のイメージが
そういうものなのでしょうね。
かつての私自身も
そういうトレーダーに憧れていました。
確かにそういうすごいトレーダーは
実際にいると思います。
私にはトレーダーの知人が数人いますが
その内の一人に、
1トレードで何百万通貨かの
ポジションを持ち
スキャルピングをしている人がいます。
その人のトレードを見ると
「リスクリワード」度外視なんです。
負けた時は枚数を倍にするんです。
それでも負けたらさらに倍。
それでも負けたら…
私のような凡人から見ると
そんなトレードは
怖くて仕方ないわけです。
連敗しない根拠もないですし、
失う金額が大きすぎますよね…。
それでもその人は
数年間トレードで稼ぎ続けています。
何が言いたいかというと、
「金銭感覚」が全然違うんです。
その人は会社の社長で
若くして成功していました。
そして、稼いだお金を
湯水のように使ってきたらしいです。
要するに「一般的な金銭感覚」とは
掛け離れている人なんです。
もちろん「金銭感覚」なんて
人それぞれですから
その人が間違っているとは思いません。
ただ、真似はできないし
してはいけないと思っています。
お金に対する欲や恐怖は
誰にでもあるものだと思います。
FXはお金を直接的に扱いますから、
必然的に欲や恐怖と
向き合う必要があります。
FX初心者は特にそうですが、
欲や恐怖は自身のトレードに
ものすごく悪影響を及ぼします。
それを抑えるために
ルールを定めたり、
手法に頼ったりしますが
自分の「金銭感覚」を大きく超えると
そこから先の欲や恐怖は
もはや制御不能となります。
いわゆる「金銭感覚が麻痺している」
という状態に陥るわけですが、
この状態の厄介なところは
麻痺している自覚すらないことです。
多くの資金を失ったころに
「このままじゃいけない」と
我に返りますが、時すでに遅し。
その時にはもう
「狂った金銭感覚」でトレードしないと
取り戻せない状況に陥っています。
ということで、自身の金銭感覚は
よくわかっておいた方がいいです。
自身の金銭感覚とは
一日どこかでアルバイトをしたとして
その日当はどのくらいか、とか
毎日の仕事の合間に行くランチ代は
どのくらいから高いと感じるか、とか
そういう日常の感覚のことです。
一日労働して15000円のイメージの人は
例えばその半分トレードで勝てれば
結構嬉しくないですか?
ランチ代2000円を高いと感じるのに
トレードでその倍負けたら痛くないですか?
このように考えてみて
始めは自身の金銭感覚に寄り添った
ロット数で臨むのがおすすめです。
そこからさらにロット数を上げるのは
さすがに勝てるようになってから、です。
まずは、デモトレードや
超低ロットトレードで
「このやり方なら勝てるかも」と思える
トレード方法を確立する必要があります。
その時に少しロットを上げてみて
負けてしまったらロットを下げて検証。
これをひたすら繰り返すのみです。
そういう地道な努力を経て
徐々に徐々にロット数は
上がっていくものとご理解ください。
早く勝てるようになるためには
意外と「ロットを上げないこと」が
重要かもしれません。
私が思う「プロだな」と思うトレーダーは
自分の「金銭感覚」をよく知っており、
「冷静にいつも通りトレードできて
ノンストレスなロット数」で
トレードしています。
そして月単位、あるいは年単位で
「必要な金額だけ」確保しようとしています。
合理的で無駄がなく
自分をコントロールしてる感じがしますよね。
私としては常にそういうトレーダーでありたいと
日々邁進しています。
ネットで見かける「スーパートレーダー」を
目指すべき目標に据えてしまうと
自分自身を見失うきっかけになるかもしれません。
そのあたり、どうかお気を付けください。