環境認識編⑦ トレードプランを考える
これまで、環境認識としていろいろなラインを引き、
フィボナッチリトレースメント、移動平均線などを
使ってチャートにマーキングをしてきました。
次は、それを元に「トレードプラン」を
考えていこうと思います。
実際にトレードをする前に、
「どんな値動きになりそうか」
「どんな値動きを狙うか」を
何パターンか考えておくんですね。
買うプランと売るプランを一つづつは
考えておきたいです。
そうすることで、
迷いのない論理的なトレードができます。
値動きを当てる必要はありません。
トレードプランとかけ離れた値動きになった時は
トレードしなければいいだけのことです。
環境認識をし、トレードプランを立てる。
プラン通りの値動きにならなければ何もしない。
プラン通りの値動きになったら
事前に決めている下位足の値動きに従って
エントリーする。
トレードって
実はホントにこれだけなんですよね。
今回は、実際のチャートで環境認識をし
トレードプランを立ててみたいと思います。
環境認識
まずは簡単にラインを引けるところから
引いていきましょう。
月足、週足、日足と見ていって
ラインを引いたのが以下のチャートです。
こちらは日足チャートですが、
月足を見て「2002年の高値」に引きました。(赤)
月足は数か月前から続く急騰の途中で
かなりの上昇相場です。
その上昇がついに2002年高値に届き、
この先どうなるか、といった状況です。
週足からは、「先週の高値」に引いています。(紫)
週足を見ても、急騰後に押し目を付けて高値を更新。
かなりの上昇相場です。
高値更新によってできた「節目」を
四角く囲っています。
日足は「前日の高値、安値」に引いています。(緑)
キリ番である135.000円にも引いています。(グレー)
日足を見ると、やはり強力な上昇相場で
2002年の高値という強力そうなラインを
2日前の日足が上抜いています。(ライン上で陽線確定)
しかし、強力な反発を受けて前日のローソク足は
大きな陰線となりました。
2日前の陽線の迫力は完全に打ち消されましたね。
次に4時間足を見てみます。
4時間足でも上昇トレンドが続いていますが
下から上がってきた波の勢いが
弱まってきているように見えます。
前日の下落が見てとれますが、
押し安値として認知されそうなところで
下ヒゲを出して値が止まっています。
押し安値にもラインを引いておきます。(水色)
直近の4時間足のローソクは
大きめの陰線ですが
上にも下にもヒゲがでていますね。
ローソク足を見て読み取れることは
曲解せずそのまま受け取った方がいいです。
この場合「強い売り圧力があるが
下からの買い圧力もしっかりある」
という風に考えておきましょう。
続いて1時間足を見ます。
1時間足では、2002年高値の手前で
レンジになっているような印象です。
先ほど見た4時間足のローソクの高値に当たるレートが
よく目立っているのが分かります。
前日の深夜の動きですね。
こうのような目立ったヒゲにも
ラインを引いておきます(オレンジ)
水平ラインはこのぐらいでしょうか。
あとは、やはり前日の陰線が目立つので
フィボナッチリトレースメントを
当ててみましょう。
50%や61.8%がいいところにありますね。
これで環境認識は終わりです。
上位足で見れば強い上昇トレンドの途中。
その上昇が2002年高値で一旦押さえられている。
直近では強力な反発の売り。
このようなことを把握した上で
意識されそうなラインを
「見える化」したわけです。
それではいよいよ
ここまでの認識をもとに
トレードプランを立ててみましょう。
トレードプラン
トレードプランを考えるときは、
最低でも「買うプラン」と「売るプラン」の2つ
考えるようにします。
そうすると、
「プランが崩れた時のプラン」が
思い浮かびます。
それも使えそうなら使いましょう。
まずは単純に
「買うとすればここからここまで」
「売るとすればここからここまで」
という風に考えてみます。
トレードプランは「メインとする波」で
考えるます。
私の場合は主に1時間足の波ですが、
「ニューヨーク時間のみ」など
トレード可能な時間が限定される人は
ターゲットとする波の
ダウンサイジングが必要です。
では、まずは買うプランからいきましょう。
あまり難しく考えず
環境認識で引いたラインを基準にして
そのラインでどうなれば買うのかを決めます。
本チャートの場合、
前日の日足が大陰線という
「特徴のある環境」なので
それもプランに反映させたいです。
例えば、
「前日の下落に対する戻り売りを受けてから、
前日安値(緑)でダブルボトムになれば
先週高値(紫)まで買う」
というような具合です。
下のチャート、オレンジの波のイメージです。
そして、
「このプランが崩れた時のプラン」は
「前日安値の押し目が崩れたら
週足の節目(薄紫)まで売る」となります。
波を描いてみると
下のチャートのようなイメージです。
続いて、売る方のプランです。
考え方は同じです。
例えば、
「先週高値(紫)で売れる形になったら
前日安値(緑)まで売る」
売れる形になったら、というのが
いかにも曖昧ですが
それがダブルトップなのか
レンジブレイクなのか何なのかは
終わるまでわかりません。
「自分がわかる形になったら」という考え方です。
また、本チャートの場合
先週高値
目立つヒゲの先(オレンジ)
キリ番(グレー)
と、連続したラインがあるので
「この辺りのどこかで、売れる形になったら売る」
という「エリア」のような捉え方でも大丈夫です。
どこから戻り売りが入るかは
結果論ですし、当てる必要もありません。
波を描くとこんな感じです。
売るプランが崩れた時も考えてみます。
「戻り売りのエリアまで上昇後、
戻り売りの崩れで次のラインまで買う」
これも波で書いてみます。
こんな感じでしょうか。
ただし、このプランの場合
戻り売りが崩れた後、
上部にラインがたくさんあり
利益確定の目標が近すぎる可能性があります。
すぐに反転してしまう可能性も
否めないため、
「こうなった時は見送る」
というのも立派な戦略です。
これでトレードプランを
立てることができました。
あとは、その時が来るまで待機。
プラン通りの形になったら
下位足の値動きを見てエントリーです。
プラン通りの値動きにならなくても
気にしなくて大丈夫です。
スルーしましょう。
それは「自分の考えの及ばない値動き」ですから
手を出すと痛い目に合うかもしれません。
一方で、「自分の考えの及ぶ範囲なら」
プランを修正するのは大丈夫です。
考えていたプランと
まったく同じように相場が動くことは少ないです。
ですから微調整を繰り返しながら
チャートの前で構えておくんですね。
チャートの形は毎日違いますが
値動きの本質、メカニズムは変わりません。
同じ仕組みの中で、毎日淡々と
環境認識をしてプランを考えていれば
自然と身についていきます。
そうすると自然と勝率も上がってきます。
「トレードは負けてもいいが
このルーティーンから外れるのは気持ち悪い」
そんな風に思えるようになると
勝手に資金が増えていくはずです。
ちなみに、本記事の例に使ったチャートのその後です。
15分足チャートです。
戻り売りのプラン通りでした。
午前中に一旦調整波の上昇。
先週高値、1時間足20MA付近で
ダブルトップを完成させ
戻り売りが入った形です。
環境認識編はこれで終わりにして
次回からエントリー編を始めます。