環境認識編① 水平ラインを引く
今回から数回に分けて「環境認識編」をお送りしたいと思います。
これまでは基本編ということで、
トレードの根幹、骨組みとなるお話をしてきました。
ここから先の知識は基本編の内容を肉付けし
深掘りしていくような内容になります。
環境認識とは
環境認識とは、いざトレードをする前に
「現在値の解釈」を行うことです。
環境とはつまり「相場環境」のことで、
一般的に長期の時間足から順に状況を確認し、
現在値の意味合いを推し量る作業です。
基本編でいうところの、
「上位足の波を見る」というプロセスが
環境認識に当たると思ってください。
実際には「見る」だけではダメで、
重要な価格にラインを引いたり、
斜めにラインを引いたり、
レンジを四角く囲ったり、
時にはインジケーターを表示したり、
チャートツールを使ったり、
チャートをマーキングし、トレードをやりやすくします。
マーキングによって、現在の価格が
どのラインから出発してどのラインに向かっているのか、
ここを抜けたら流れが変わるな、
この価格とこの価格の間を抜けてからトレードしよう、
など様々なことが考えられるようになります。
特に水平ラインを引くのは重要で、
例えば月足チャートの重要な価格は、
日足や、さらに小さい時間足では認識できません。
4時間足の重要な価格は5分足チャートでは認識できません。
重要な価格なわけですから、その価格付近の値動きは
しっかりと見極める必要がありますので、
どの時間足でも、どこが重要な価格かわかるように
水平にラインを引いておきます。
水平ラインを引く例をあげてみます。
水平ラインを引いてみる
環境認識はより上位の足から行います。
最も上位の足は月足でしょうか。
月足は1か月に1回確定するだけなので
デイトレードであれば毎日見る必要はありませんが、
今回は月足から順に見ていきます。
目立った高値に赤いラインを引いてみました。
2015年の高値と2002年の高値です。
現在は2022年6月。
2021年の初めから上昇を続けています。
今年の4月の足が勢いよく2015年高値をブレイク。
5月の足で押しを付けて今月ついに2002年高値に到達しました。
ちなみに水平ラインは「世界中のトレーダーが意識するところ」に
できるだけ引くようにします。
もちろん100%は無理がありますが、
自分だけが引いているオリジナルラインには何の意味もありません。
月足の次は週足です。
現在、超円安相場であまりにも急上昇しているので、
あまりラインを引くところがないですが、
「そういう環境」ということなのでそれはそれでOKです。
5月に押しを付けて上昇していったので、
「節目」ができましたね。
とりあえず節目の上側にラインを引いておきます。(紫)
次は日足です。
先週、134円前後で値が止まっていましたが、
2日前の足が2002年高値に到達、
その後一旦価格は戻りましたが、
前日の足が2002年高値をブレイク。
その後、再び135円も下抜き、今のところ2002年高値からの
反発を受けているような感じです。
ちなみに、グレーで引いたラインは「キリ番」です。
133.000円 134.000円 135.000円 と、
キリのいい価格は注文の目安になりやすく、
値が反応することが多いためです。
「世界中の誰もが同じ位置に引けるライン」でもあります。
続いて4時間足を見てみます。
134円~2002年高値の間でもみ合っているような状態です。
やはり、135円や2002年の高値は注目度が高いので
下の方から買っているトレーダーは利益を確定しだします。
それを見越した逆張り派の売りも入りますから、
そう簡単には抜けていきません。
かといって、この上昇相場ですから
下がれば買いたい人はたくさんいるでしょう。
このことから、トレードするとすれば
135円付近に引き付けて売る、
134円付近に引き付けて買う
というのが安全そうです。
中途半端な位置でのエントリーは
乱高下に巻き込まれてしまいます。
ちなみに、緑の点線は
前日の足の高値と安値
紫の点線は
先週の足の高値と安値です。
こういうローソク足の高値と安値も
意識されるラインになりやすいです。
なぜなら、これも
「世界中の誰もが同じ位置に引けるライン」だからです。
それでは最後に1時間足も見ておきましょう。
2002年高値上の売り勢力と、前日足の陽線に対する押し目買いが攻防中です。
現在値での値動きを短期足で見極めたいところですね。
安値を切り上げて押し目買いが成功するか、
押し目が崩れて134円、またはその下2日前の安値あたりまで下がるか。
本日深夜にはFOMCが控えているため、
それがきっかけで動き出すようなこともあるかもしれません。
と、こんな感じで月足から1時間足まで
水平ラインを引いて環境認識をしてみました。
現在は超円安相場で、高値圏でもみ合い中。
しかもFOMCの日にこの記事を書いているので
そういう意味では少し特殊な日を選んでしまったかもしれませんが、
そこも含めて「現在の環境」ということです。
水平ラインを引くことで、
ここまで上がったら売りを検討する、
ここまで下がったら買いを検討する、
このラインでダブルトップになったら売る、
このレンジを抜けたらこのラインまでついていく、
ここを抜けるまではトレードしない、
このようにトレードのプランをあらかじめ立てられるようになります。
ラインがあることによって「基準」が生まれ、
そこを基準にメインの波を観察。
そして短期足の値動きで最終判断をするんです。
水平ラインは相場環境によっていろいろなところに
引くことになりますが正解があるわけではないです。
波の押し安値や、戻り高値、節目に引いたりもします。
次回は、他の水平ラインの引きか方もお伝えしますね。
分類しだすとたくさんの水平ラインがありますが
経験、練習を重ねることで、半自動的に引けるようになります。
ちなみに私がココナラで出品中のサービスでは、
環境認識とトレードプラン、その後の値動きの結果を解説したものを
毎日お届けしています。
是非、あなたの経験と練習のお手伝いをさせてください!