基本編⑩ 3つの波を考える

基本編⑩ 3つの波を考える


前回までで、セオリーとなる値動き、

そして、セオリーが崩れた時の値動きを見てきました。

おさらいも兼ねて書き出してみます。

 

押し目買い 押し目買い崩れ

戻り売り 戻り売り崩れ

ダブルトップ ダブルトップ崩れ

ダブルボトム ダブルボトム崩れ

レンジ

レンジブレイク ダマし

 

これらの値動きを上位足の波と下位足の波を使って見てきましたが、

トレードには3つの波が必要だというお話を覚えているでしょうか。

 

トレードには3つの波を使います。

 

今回は、3つの波をどのように使うかのお話になります。

 

3つの波を使う

まず、3つの波とはそれぞれどのような波でしょうか。

 

1つ目は、メインとなる波。

このメインの波の動きを、買ったり売ったりして利益に変えたいわけです。

 

メインの波の動きを予測するために必要なのが、

2つ目の波で、メインの波の時間足の上位足の波です。

メインの波の値動きは、さらに大きな上位足の波の影響で決まります。

 

そして、いざエントリーする際に必要なのが

3つ目の波で、メインの波の時間足の下位足の波です。

より小さな波を見ることで、メインの足の動き出しを見極めたり、

損切りの幅を小さくするために用います。

 

図にするとこんな感じです。

黒の波がメインの足。

デイトレードでは1時間足をメインにするのが分かりやすいと思います。

この、黒のジグザグを買ったり売ったりして狙っていくわけですね。

 

青の波は上位足の波です。

メインが1時間足なら、4時間足の波や日足の波を見ます。

1時間足の波は上位足の抵抗で値が止まります。

逆に言うと、上位足の抵抗まで値が伸びていく、ということも言えます。

上位足の波を把握しておかないと、トレードプランが立てられません。

 

緑の波は下位足の波です。

メインが1時間足なら、15分足や5分足の波になります。

短期足の波をみることで、メインの波を読む精度をあげます。

精度の高いエントリーや、無駄のない決済には

短期足の波が不可欠です。

 

さて、3つの波を見ていくわけですが、

それぞれの波を1つずつ見る場合、

どの波でも見方は同じです。

 

トレンドが出ていたり、レンジになったり、

押し目買いされたり、ダブルトップが崩れたり…

 

これまでの記事で紹介してきたような値動きが、

それぞれの時間足で常に起こっています。

 

 

まずは上位足である4時間足の波から見てみます。

下降トレンド中で、一旦「節目」の近くまで上昇してきています。

どこかから戻り売りが入りそうな局面ではあります。

それが節目の赤ボックスの辺りかもしれないし、

現在値辺りから下がり出す可能性もあります。

 

それではメインの1時間足の波を見てみましょう。

こんな風になっていました。

メインの波は戻り高値も上抜けて上昇トレンドになっています。

現在値の辺りから赤ラインを目指して買いを考えるのもアリですが、

やはり上位足の戻り売りがどこで入るかわからないので、

メインの波でも、売れるところを考えるのが王道でしょう。

従って、今はまだ様子見です。

 

しばらく様子を見ると、こんなチャートになりました。

4時間足の波の節目のボックスまで到達し、

勢いが弱まっているようにも見えます。

1時間足の波がダブルトップを完成させる動きを狙って

売ってみてもいいかもしれないですね。

 

このあたりから下位足である5分足の波を見てみます。

 

拡大していますが、緑色の波が5分足の波です。

赤ラインを挟んで上下していますが、

直近の値動きを見ると上昇中です。

黒の波が下がっていく動きを狙っていますが、

このまま高値を超えていく可能性もあるので

この段階では何もできません。

 

少し様子を見た後の値動きがこちら。

5分足の波がネックラインを下抜きダブルトップが完成しました。

ここでエントリーです。

 

この瞬間が

上位足   ⇒ 戻り売りされそうな位置。

メインの足 ⇒ 上位足の戻り売り候補地点でダブルトップになりそう。

下位足   ⇒ ダブルトップ完成。

 

このタイミングでエントリーすることで、

3つの波すべてに「売る根拠」がありますよね。

 

だからこそ勝ちやすいですし、

多少、価格が上昇したとしても安心して見ておくことができます。

仮に負けてしまったとしても、

「仕方ない、こういうこともある」と思えますし、

ダブルトップが崩れる値動きを買うこともできます。

 

ちなみにその後の動きはこんな感じです。

狙い通りにメインの波がネックラインを下抜きました。

この1時間足の値動きは、4時間足の波の戻り売りの起点になりますから、

4時間足の波が止まるまでポジションの保有を考えることもできます。

 

1時間足の一波を狙うならこの辺りで利益確定し、

値が戻るのを待ってから戻り売りを狙うのもいいでしょう。

その際も下位足の値動きを見て、条件が整った時にエントリーします。

 

今回の例では

上位足の波   ⇒   戻り売り

メインの波   ⇒   ダブルトップ

下位足の波   ⇒   ダブルトップ

という組み合わせでしたが、もちろん別の組み合わせでもいけます。

 

例えば、

上位足の波   ⇒   ダブルボトム

メインの波   ⇒   レンジブレイク

下位足の波   ⇒   押し目買い

 

上位足の波   ⇒   レンジ

メインの波   ⇒   ダブルトップ

下位足の波   ⇒   押し目崩れ

 

上位足の波   ⇒   (押し目買いされて)現在上昇中

メインの波   ⇒    ダブルトップ崩れ

下位足の波   ⇒    レンジブレイク

 

このように、値動きのセオリーを知っていれば

3つの波にそれぞれ当てはめるだけで、

安全で高勝率なトレードができるようになります

 

「当てはめるだけで」と簡単に言いましたが、

もちろん簡単ではありません。

 

理屈は理解できても、

実際にリアルチャートに当てはめようとするとかなり難しいです。

 

図に書いたようなきれいな波にはなっていませんし、

3つの波も慣れなければ混乱すると思いますし、

どれがどの波か分からないかもしれません。

 

だからこそ、訓練が必要です。

過去チャートを振り返って波の合わさり方を検証してみてください。

その日のチャートを見てエントリーできそうなところを

探してみてください。

実際のトレードで、下位足の値動きが上位足の値動きに合流する感覚を

何度も体感してみてください。(デモトレードでOKです)

 

これらは、とてもめんどくさい作業です。

飽きるし面白くないです。

トレードだって1日に何度もできませんので

実体験の積み上げにはどうしたって時間がかかります。

 

ですが、本当にこれをやるかどうかなんです。

 

知ってるだけではできないんです。

耳にした理論を自ら経験して、体感して、納得して、肚に落とさなければ

「トレード感覚」や「相場観」が養われません。

 

どうか頑張ってください。

応援、サポートはできる限りさせてもらいます!

 

 

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