基本編⑨ セオリー崩れもセオリーである 後編

基本編⑨セオリー崩れもセオリーである 後編


前回は、押し目買い、戻り売りが崩れるパターンを紹介しました。

セオリーが崩れるとき、価格も崩れることと、

そのメカニズムを説明しました。

 

今回はダブルトップ、ダブルボトムが崩れるパターン

見ていこうと思います。

 

ダブルトップ崩れ・ダブルボトム崩れ

ダブルトップを使って説明します。

青の波が4時間足、黒の波が1時間足の波だとします。

 

1時間足が上昇し、4時間足の戻り売りが入りそうなところで

ダブルトップを作りかけています。

 

もし、セオリー通りダブルトップが完成し、

青の波が再び下降していくとすると、

例えば黒の点線のような動きになります。

 

しかし、ダブルトップが崩れることにより、

さらに上方向へ値が伸びやすくなります

 

ダブルトップができることを想定して、

売り注文を入れている人が損切りをし、

高値更新を根拠に新規買い注文が入るからです。

 

売られそうなところだからこそ、

売られなかったときに反動が強くなるわけです。

 

押し目買いが崩れるときと同じ理屈ですね。

 

 

こんなケースもあります。

本来ならばダブルトップがネックラインを下抜くことで完成し、

さらに戻り売りが入って大きく売られても良さそうな局面ですが、

その戻り売りが崩れ、その結果ダブルトップも崩れてしまいました。

 

このように、「崩れ方」にすらパターンがありますが、

ここでも大切なのは、「崩れる可能性をあらかじめ想定しておくこと」です。

 

例えば、

上位足では下降トレンドではあるけど戻り目の位置としては浅すぎるかな、

強いラインからの反発上昇だからもう少し上がるかも、

 

ということを先に考えており、

「どうなるか決まってから」エントリーするのです。

 

 

崩れるか崩れないかを当てるのはすごいことではありません。

 

どんな崩れ方をするのかを当てることにも意味がありません。

 

熟練したトレーダーは相場の背景を読み取って、

 

戻り売りのポイントではあるけど崩れる可能性もあるな、

こうなったら売って、こうなったら買おう、

売ってみて、もし崩れたらドテンして買いで取り返そう、

 

という風に、どんな値動きになっても対応できるように

プランを立てているのです。

 

 

さて前回と今回で、セオリーである値動きが崩れるパターンを考えてみました。

ちなみに「レンジブレイク」が崩れる、というのは

基本編⑦で解説した「ダマし」と同じことです。

 

 

結局、相場はセオリー通りの値動きとセオリー崩れの値動きで

すべて成り立っています

 

過去チャートをじっくり観察してみてください。

上位足の波のトレンドが下位足のセオリー崩れで推進していたり、

下位足のトレンドが上位足のセオリーによって崩れたり、

上位足のセオリーが崩れるとき、下位足のセオリーによって値が伸びていったり

意識して見ると、そういう値動きが見えてきます。

 

するとだんだん、エントリーすべきところも見えてきます。

こうして導き出したエントリーポイントには、

「上位足がこうだから」という優位性が担保されており、

「下位足がこうなったから」という根拠のあるエントリーになるはずです。

 

複数の波を同時に考察する意味や必要性がわかってきたでしょうか。

 

次回からはいよいよ「3つの波の考え方」について

お話ししていきたいと思います。

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