基本編⑧ セオリー崩れもセオリーである 前編
前回までの内容で、相場のセオリーと言われる値動きを
いくつか紹介しました。
押し目買い・戻り売り
ダブルトップ・ダブルボトム
レンジブレイク
複数の波を同時に見ることによって、
「なぜそういう値動きになるのか」
という値動きの仕組みもご理解できたでしょうか?
どれも基本的な値動きなので、
そのメカニズムは理解していきたいところです。
今回は、タイトルにもあるように
これまでのセオリー的な値動きが
「崩れる」パターンをご紹介します。
長くなるので前編と後編に分けてお話しします。
押し目崩れ・戻り目崩れ
まずは、押し目買い・戻り売りが「崩れる」パターンです。
4時間足の青の波が上昇、
一時的に下降してきている場面です。
下降の波を1時間足で見ると、黒の波のようになっています。
上からの下降波の売り勢力と、
押し目買いをしたい買い勢力が攻防して
レンジになってしまっています。
青の波が上昇中トレンドであることから
このレンジを上抜けて黒の波が上昇、
結果として青の波の押し目買いとして
上昇トレンドが続いていく。
まず、これが押し目買い成功のオーソドックスなパターンです。
しかし、こういうこともあります。
途中のレンジを下抜けることにより、
押し目が「崩れて」、日足の「節目」まで急落しました。
当然、トレーダーは青の波を見ているわけですから、
レンジ内には押し目買いを狙った買いポジションが「溜まっています」。
それがレンジを下方向にブレイクすることで、
溜まっていたポジションの損切り、
また、その損切りを狙った新規売り注文を受けて急落するわけです。
そして、次の押し目候補までくると、
急落させた売り注文の利益確定や
あらためて押し目買いをする勢力の出現により、
値が止まります。
このように、「押し目が崩れて、次の押し目候補まで下がる」
という値動きもよくある値動きなのです。
前提となる値動きが分かりやすく、セオリー通りであるほど、
そこにはポジションが集中することになり、
それが崩れた時の反動が大きな値動きにつながります。
しかし、一つ目の押し目が崩れても、
青の波の押し安値を抜いたわけではないので
青の波の上昇トレンドは継続中です。
次の押し目候補から押し目買いが成功するとすれば、
これはこれで青の波だけを見れば
オーソドックスな押し目買いです。
次の押し目候補で押し目買いが成功するかどうかはさておき、
「どこから上がるか」がわからなければ、
トレードのしようがないと思いませんか?
もちろん、その対策はあります。
ありますが、エントリーの仕方のお話しにもなるので、
細かい部分は今は割愛します。
ただ、セオリー的な値動きの裏には、
それが崩れた時のパターンがあることを知り、
「もし崩れたらこうする」という
複数の未来を想定しておく必要がある、
ということは言えるでしょう。
今回のお話しで大切なのは、
セオリーが崩れるときがある
その時は逆方向に値が伸びやすい
崩れるパターンも想定しておく
ということです。
次回は後編ということで、
ダブルトップ、ダブルボトムが崩れるときのお話しです。